年配者は長い人生を歩んできて達観しているので、穏やかというイメージを持つ人もいますが、なかにはワガママで頑固な人も少なくありません。その為老人ホーム内には色々な人が入居しており、それ故に人間関係のトラブルが起きる事もあります。
では具体的にどのようなトラブルがあるのか、対処法と合わせて詳しく見ていきましょう。
人間関係のトラブル1.入居者同士でもめる
老人ホームで起こる人間関係のトラブルで多いのが、入居者同士でもめるという事です。人間なのでどうしても合う合わないというものがあります。
相性が悪い人がホーム内にいた場合、出来るだけ会わないようにしたり、会ってもあいさつ程度で済ましていれば良いのですが、中には陰口を言ったりいじわるをしたり、けんかをふっかけてくるような人もいます。そうすると老人ホーム内の雰囲気も悪くなってしまいますし、周りも気を使うようになってしまいます。
また老人ホーム内で恋愛感情を持ってしまうというケースもあり、両方が好意を持っているのであれば問題ありませんが、一方的に好意を持ってストーカー行為まで発展してしまう場合も少なくありません。その為施設で働くスタッフや家族が高齢者だから問題ないと思わずに、きちんとチェックしておく必要があります。
人間関係のトラブル2.施設で働くスタッフともめる
入居者同士では問題がなくても、入居者が施設スタッフとトラブルになってしまうケースもあります。相性もありますが、スタッフが忙しくて1人の入居者に長く構う事が出来ず、それを入居者が逆恨みして無視をされたとか意地悪されたとか、えこひいきするとかそう感じてしまう場合もあります。
その為特に施設で働くスタッフは、入居者に誤解を与えないように慎重に行動する事が大切です。
人間関係のトラブル3.認知症の症状がある人ともめる
老人ホームに入居している人の中には認知症の症状がある人もいます。例えば急に大声で怒鳴ったり、暴力をふるったりする事等が挙げられます。こうした時に被害にあった人が仕方ないと気持ちを抑える事が出来れば良いのですが、我慢出来ずにケンカになってしまったりする事も珍しくありません。
また他人のお金や貴重品を自分のものだと思って取ってしまったり、勘違いやちょっとした物忘れで自分の財布がなくなったとか、盗られたと思い込んでしまうケースもあります。認知症の症状があると、いくら施設のスタッフが丁寧に説得をしても中々納得してくれない為、信頼している家族が説得する等の工夫が必要です。
それでもトラブルがなかなかおさまらない場合は、出来るだけそうした症状がある人とは普段から距離を取ったりして、接触を最小限にする等の対処が求められます。
人間関係のトラブル4.騒音問題でもめる
人間関係のトラブルで少なくないのが騒音問題です。特に年配者は耳が遠くなっている人も多く、テレビやラジオの音量が大きくて、周囲に迷惑をかけてしまう事があります。本人からすると悪気はないのですが、日常的にテレビやラジオの音量が大きいと周囲はストレスがたまりますし、トラブルの原因にもなりかねないので、耳が遠いと自覚している人は補聴器をつける等の対策が必要です。
トラブルの対処法1.施設で働くスタッフに相談してみる
老人ホームで人間関係のトラブルになってしまった場合、どうすれば良いかというとまず施設で働いているスタッフに相談してみると良いです。
何か気になる事や、揉め事になりそうと感じたらなるべく大事になる前に信頼出来るスタッフに相談する事が大切です。仲の良いスタッフや信頼出来るスタッフが誰か分からない場合は、チーフスタッフや施設長を頼ってみましょう。
チーフスタッフや施設長が問題ありと判断すれば、対応してくれて大事になる前に解決してくれます。いくら真剣に相談をしても、チーフスタッフや施設長が真剣に向き合ってくれない場合は、他の一般スタッフ何人かにも相談してみて、そこで問題ないと判断されれば、自分の反応が過剰だった可能性がありますし、それでも納得できない場合は老人ホームの相談窓口があるので、そこに連絡をして相談してみると良いです。
トラブルの対処法2.老人ホームの住み替えを検討する
老人ホーム内での人間関係トラブルにより、耐えられない位のストレスがある場合は住み替えを検討するという方法があります。
もちろん別の老人ホームに移るというのは大変なので、それが出来れば良いですが無理な場合は一時的に家族がいる家に戻ってみたり、トラブルを抱えている相手とは別のフロアに部屋を変えてもらう事は可能か老人ホーム側に聞いてみると良いです。
トラブルの対処法3.家族等の身内に相談する
老人ホームでの人間関係トラブルに悩んでいる場合は、施設で働くスタッフに相談するという方法もありますが、家族に聞いてみるというのも1つの方法です。
家族であれば本音で話す事も出来ますし、親身になって聞いてくれるので安心です。実際に会って相談するのがはずかしいのであれば、まずは軽く電話やメールでさりげなく話してみて、それに乗ってきたら本格的に相談してみるという形をとってみましょう。
とにかく人間関係のトラブルは放置していると、大事になりかねないので早めに誰かに相談するという事が重要です。
トラブル回避の為に老人ホーム入居前にやっておくべき事
老人ホームでの人間関係のトラブルにまきこまれないように、入居する前の見学時にやっておくべき事がいくつかあります。まずスタッフをよく見ておくという事です。入居者やスタッフにはどういう人がいて、普段どういう生活をしているかやどういう仕事ぶりか、入居者との関係性は良いか等をチェックしておきましょう。
スタッフと入居者との関係性が良ければ、少なくともスタッフと揉める事はなく快適に過ごす事が出来ます。また見学時に老人ホームで働いているスタッフに、過去にどういうトラブルがあったかも聞いておきましょう。例えば入居者同士が揉めた時はどうスタッフは対処するのかや、スタッフと入居者が揉める事はあるのか等も聞いておくと良いです。
そうする事で何かトラブルがあった時の老人ホーム側の姿勢がよく分かります。そしてこういった老人ホーム側にとってはあまり聞かれたくないような話を、スタッフは正直に話してくれるのか、それともごまかしたり話を反らしたりするのかという事もチェックしておきましょう。
老人ホームで平穏に暮らすには入居前に見学をし、入居後は何かあったらすぐにスタッフに相談する事が重要
老人ホームでは入居者同士や、スタッフと人間関係が原因でトラブルになる事も十分あり得ます。その為出来るだけトラブルに巻き込まれないように、入居する前に見学へ行き、そこでどういう人がいるかチェックしたり、分からない事は事前に色々と質問しておくと良いです。
また入居後に入居者同士でトラブルになる事もあるので、その時はスタッフや家族に相談して、出来るだけ大事にならないようにする事が大切です。